井岡諒
ロールケーキ「小山ロール」で有名な洋菓子店「パティシエ エス コヤマ」(兵庫県三田市)で違法な長時間労働を社員にさせたとして、伊丹労働基準監督署は21日、同社と同社の製造部長ら2人を、労働基準法違反(長時間労働)の疑いで神戸地検に書類送検し、発表した。
伊丹労基署によると、同社は昨年1~2月、製造部門の社員11人に、労使協定で定めた上限を超える月100時間以上の時間外労働をさせた疑いがある。
バレンタインデー前の繁忙期で、この11人はロールケーキや焼き菓子などの製造を担当していた。最長で月340時間以上の時間外労働をした社員もいたという。月100時間の時間外労働は、労災認定基準の「過労死ライン」と呼ばれる。
同社は、テレビ番組に出演していたパティシエの小山進氏(57)が1999年に設立した。三田市の店舗のほか、ネットでも販売している。長時間労働をめぐっては、伊丹労基署から2018年と21年に是正勧告を受けていた。労基署の担当者は「長時間労働が常態化していた、重大で悪質な事案」と述べた。
同社は書類送検を受け、ウェブサイトに「事態を厳粛に受け止め、労働環境の改善に全力で取り組む」とのコメントを出した。(井岡諒)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル